2025年11月1日土曜日

第10回小樽ライブ

11月1日 第10回小樽ライブが開催されました。


高川先生およびスタッフの皆さま方での手作り感満載の運用でアットホームでありながらも、ZOOMやAI技術を駆使しての放映はビデオ作りは驚くばかりでした。

ライブは齋藤滋先生からスタート。ワイヤーは通ったけど石灰が邪魔でなにもできない病変です。「rt dRAでダメならlt dRAの方ガイドが良い形で入る!」とスイッチしたのはさすがです!しかし、それでも通過しない。double wire、各種マイクロカテ、ガイダーロックもダメ。ロタワイヤー単独では病変通過後の屈曲を越えられません。(あれをロタワイヤー単独で通すのもビックリですが!)「バイパーワイヤーならなんとかなるんじゃない?」という意見で、齋藤先生がトライしたところ…通過!ダイヤモンドバックも非常に苦戦しましたが、見事に通過しました!なんだかんだで3時間半かかった治療でしたが、結果は素晴らしい出来映えでした!終わった後の齋藤先生の医師50周年記念のセレモニーでも、「今日のPCIは自分だけではできなかった、みんながサポートして良い結果が得られた。自分の人生を表しているようなPCIだった」と感動のスピーチ!本当にお疲れさまでした。

舛谷先生は、余裕でさくっと終了。えー?あっちの病変は?というと、FFRでちゃんとdeffer!さすがです。1時間かからずに終了。


松隂先生の症例も大変でした。右鎖骨下が石灰化および屈曲蛇行で…ワイヤーが本幹以外に迷入するだけで、せっかく橈骨より7Fr入れたようですが、断念。左RAで再開。チャンネルを通過せずに硬いワイヤーで穿通。しかし、閉塞を越した末梢をすこしtrueではないところを縫いながらワイヤは進み、その先でtrueに合流。その後は閉塞部位を越えてもバルーンが通過困難。頑張って通過させ、IVUSで確認すると、この部位にヘマトーマあり。長いステントを強引に持ち込んで綺麗な仕上がりで終了です。2時間程の御手技でした。

高橋先生の出番は5時すぎなってから開始!OCTで長い病変を淡々と観察して、1時間程での御手技で終了です。

私/吉町は始めたのは18時過ぎ。もちろん、放映は終了しています。少し前側から起始している右冠動脈の慢性完全閉塞。閉塞部位は右冠動脈の肩の部分からほんの少しだけ曲がった場所で、abrupt typeです。閉塞調は30mm程度で途中に小さな島も見えます。CTではそれほど石灰化はないと思いました。側副血行路はLAD septalから確実の通せるような良いものがありますが、しかしその中枢側には高度狭窄。もしもレトロにするなら、LADをあけてからレトロになりますので、今回はどうにかアンテで通したいところです。

右にALS1.0、左にSL4.0を使用したのですが、右もスカスカ、左もスカスカ状態で、パワーポジションが取れません。Finecross & SION→Wizard 78では全く手も足もでません、。ツルツル閉塞部位をこねるだけでした。先ほどの齋藤先生の右と左を変えるのを応用して、ガイドカテを左にALS、右にSL4.0と交換したところ、少し安定。子カテもしようしながら、finecross & Gaia next4でやっと病変にアタマを突っ込みました。finecrossは病変部にもぐり込まず、少しGaia 4で病変部をほりましたが、操作性がわるく思うように動かせません。ねらうは小弯側の前側(ワイヤーが一番行きにくい場所)としました。大弯側の後ろ側は硬いワイヤーならいつでもいけるかと思ったからです。Gaia4の操作がわるいので変な方向にいくまえにWizard 78に変更。しかし、ワイヤー操作がまったくできない。Gaia 4に変更して少し末梢にすすめたところ、島の小弯側で前側に到達しました。軌道修正使用としてもできないので、XTRにワイヤーを変更。Gaia4で作った道を幾つかたどりながら、やっと島までたどり着きました。ここで約1時間。しかし、そこからも通過できない。マイクロを島まで持って行こうとしても閉塞部入り口から入らない。やむなくそこから頑張ってXTRを操作して、なんとか閉塞部位末梢にたどり着きました。しかし..finecross通過しません。外からの意見でcaravelに変更しましたがちょいとアタマを突っ込んだだけでダメ。小径バルーンも全く刃が立たない。やはり私にはfinecroosしかないとおもい、再度finecrossでトルクをかけて頑張ったところ、なんとか閉塞部を通過できました!マイクロをgrandslamに変更し、再度細いバルーンで拡張。次にバルーンをステップアップ。IVUSを見たところ、CTではよく解らなかった閉塞部入口部の石灰化にワイヤがトラップされているような図でした。病変は非常に長く、segment3末梢まで続きますが。今回はsegment1〜2で終わりたいと気持ちが少しへたっていました。スコアリングバルーンで拡張しました。48mmのステントを挿入しましたが、末梢に解離ができたために、38mmのステントを追加。綺麗なできあがりで終了いたしました。


最後に高川先生の症例。開始は20時です。腎機能がわるいので、超ミニコンでの御手技。IVUSを駆使して思い切ったバルーニングとステンティングはお見事でした!

約12時間のライブデモンストレーション。まさに、小樽ライブらしい内容での第10回のライブでした。高川先生はずっとプロテクターをつけて立ちっぱなし!排尿も一回しかいかなかったとか。もの凄い脱水になっているのではないかと心配です。本当にお疲れさまでした!

会費8000円払った18時からの懇親会には当然間に合わず(手技の開始が18時ですから)ですが、非情に充実したライブであったと思います。さすが小樽ライブ!また来年も御願いします!