2025年5月24日土曜日

Euro PCR2025

Euro PCR2025に参加いたしました。ヨーロッパで一番大きなカテーテルインターベンションの年次集会です。


ライブは、「教育的」にこだわっているので、症例としては難しいものはありません。欧州も、魔神のような術者を求める時代ではなく、みんながちゃんとできることを求める時代になってきたようです。まずは、症例紹介。つぎに、問題点をピックアップして、ステージ上でのディスカッション。そして、電子ホワイトボードに書き込んで、一般論の説明。ここで初めて、カテ室につなぎます。治療が進んだところで、またステージ上で、ホワイトボードで図示して説明をしたり、数分前のシネやIVUSを巻き戻して説明したりと、本当に教育的です。


私は、「ACSでの大きな血栓をどうする?」セッションで、いつもの5Fr de parachuteを披露させて頂きました。素晴らしいと評価してくれる先生もいましたが、もちろん、7Frとか8Fr使った方が合併症が起きたときに対応できるんだとイヤな事をいう座長もいらっしゃいました。まぁ、無視ですが。(笑)

発表終わった後、見ず知らずの先生から「あまりオモシロイので途中からだけどビデオとったんだ。よかったらair dropでビデオあげるよ」と言われてとても嬉しかったです!

ちなみに、ビデオをみると、やっぱり私の英語は津軽弁イングリッシュで...わいはどんだんずって話しているように聞こえて、まるでフランス語なまりの英語のようだとか!

もう一つは、メカニカルサポートをどう使用するかというセッションです。ECMOとIABPを突っ込んでえいやっとやるしかない症例をプレゼンさせて頂きました。もちろん、座長からは「それ、何フレンチのカテーテル?」と聞かれたので、にっこり笑って5Frと答えました!

小さなホールや小部屋も沢山あり、そこでは「うわー」っという症例も時々見ることができます。これがオモシロイのでPCRはやめられない!私のプレゼンも、この「うわー」の一つである事を願っています。人気のあるセッションは部屋に入れないほどの混雑ぶりでした。


小さな会場では、会場を巻き込んでディスカッションする方法もおもしろかったです。20cm暗いのサイコロ型のクッション付きのマイクをオーディエンスに投げるんです。つかんだ人はなにかしゃべらないといけないキマリになっています。日本でもこれやろうよと、日本の仲間たちが言っていました。マイクを投げるなんて...ともったいないと思う根性が卑しいのかなぁ・・



ハンズオンやシムレーターを使ったセッションも多くやっていました。これもまた人気のセションになっているのですね!

企業展示は、かなり派手です。まったくこの業界が景気悪いなんて思えません!(日本はすぐにそんな言い訳するのでダメですね!)しかし、現実はインドや中国の企業と思われるブースが沢山ありました。

では、帰ります。

留守をしてくれたみんな、ありがとうございました!

学会参加して、いろいろパワーアップしましたので、そこから恩返しを致します。


2025年5月17日土曜日

第59回 山形冠疾患治療検討会

第59回 山形冠疾患治療検討会 に参加いたしました。この会は山形大学関連の病院医師による症例ベースの冠動脈治療の研究会です。

前半はスパズム関連の症例が並びました。どれも、これも大変な症例であり、気の利いたコメントが難しく、…「いやぁ、大変でしたね」というのがメインになってしまいました。申し訳ありません。

βブロッカーの内服もしていないのにボスミンの効きが悪い造影剤アレルギー疑いとか、怖い症例もありました。臨床現場の先生方の、毎日毎日大変な思いをしなががら働いていることに深く共感する次第です。(βブロッカーは入っていなくてもグルカゴンを’使用してみるとか、造影剤以外のアレルギーや局所麻酔中毒との鑑別も必要かと思いました)

後半は、私がゲストということもあり遠位橈骨動脈の演題が並びました。

もちろん、合併症はゼロにはならないのですが、命に関われる合併症は無いというのがdRAの良い所の一つです。それと引き換えに万能ではないのが弱点です。食わず嫌いの術者も多いと思いますが、慣れると普通のaccessの一つと解って頂けると思います。

ゲストの私は、全ての症例にコメントをいれなければいけないという大変なお仕事もある会です。外科治療の合併症で大変な症例へのコメントなど、なかなか微妙です。。。

ゲストとしての私のお役割りは講演です、約1時間のお時間をいただきました。

まず、ありやったことがない、八王子の紹介をしてみました。次に、いまさらながらのSCJの簡単な紹介からdRAのお話し。誰でも穿刺できるdRAを目指してエコーのお話し。次にdRAでもslenderカテーテルでも、複雑病変も治療できますが、とくにslender systeでの有効な石灰化の治療をお話しさせて頂きました。

いかがでしたでしょうか?

涼しい山形ですが、皆さまに熱意を感じて汗ばむような会でした。地方で一人一人の患者さまを細かく診て、一例一例を大事に一所懸命治療されている先生方はやはり素敵ですね!「エビデンスがあるから」「ガイドラインがあるから」と、病名で判断して誰にでも同じ治療しか提供できない医者とは正反対の姿勢は、本当に素晴らしいです。

会の代表者の福井先生はじめ、お集まりいただいた山形の先生方、関係者の皆様本当にありがとうございました!


2025年5月16日金曜日

循環器疾患最新診療Seminar

循環器疾患最新診療Seminarを開催致しました。

まずは河村先生の講演です。

動脈硬化の一次予防、二次予防に関する脂質コントロールに関する考えや、PCI後の抗凝固や抗血小板剤の考え方など、病診連携にフォーカスしてお話しされました。


次に奥津先生の講演です。私は座長をさせて頂きました。

CTのエビデンスの紹介と長期のデータをメインに、正しい介入を行えば心血管イベントは少なくなるであろうとお話しされました。

奥津先生の八王子地域のお披露目会の意味も含めた現地及びWEBのハイブリッド開催の会でした。

ご参加頂いた皆様、座長の労を頂いた小野先生、関係者の皆さまありがとうございました❗️

おつかれさまでした❗️

2025年5月10日土曜日

第65回 CVIT関東甲信越地方会

 

第65回CVIT関東甲信越地方会が開催されました。

今回の大会長は茨城県立中央病院の武安 法之先生です。朝一番の会長要望演題に、タスクシフト/シェアを込めるところが仲間を大事にしているのがよく解り、とても素敵です!

朝からいろいろな症例の報告が多くあるのが地方会です。とても勉強になる内容もたくさんあり、歳をとっても学ぶものは多いです! やはり学会は参加すべきですね!

しかし、なかなか微妙な症例とか、根本的にちょいと方向が違うものとかありますが、...関東は紳士淑女が多いのか、慇懃無礼な対応が多いのか解りませんが、非情に丁寧な上品な言葉でお茶を濁すような座長やコメンテーターが多いです。「さすがにダメだろう!」と叫ぶ人はいません(笑)田舎者の私は不思議な光景に慣れること無く10年以上経った次第です。

学会の問題点の一つ運営資金です。東京ライブ委員会や運営委員会でも問題になっていました。ものの値段が高くなり、人件費も会場費も高くなり、しかし、日本の医療業界は経済的に少しずつテーパリングしています。学会に共催や支援してくれる企業が少なくなっています。

海外の学会は、非情に派手で豪華に相変わらずやっています。これは、参加費が高額なのもあると思いますが、それ以上に参加者や運営者の気持ちが沈んでいないことだとおもっています。我々も、つまらない言い訳しないでガンガン行くべきだと思います。もちろん、一生懸命第一線で働く医者の給料も海外より安すぎるとは思いますが。。。

安定して必要な医療費は削減され、もの凄く特殊な治療などには驚くべき高額医療が保険でまかなわれるのが日本です。自費診療や混合診療にすればよいと思うモノも沢山ありますが...まぁ、いろいろ問題はありますよね。しかし、そのあおりをくらって、学会が小さくなり参加する人が少なくなり、勉強するものがすくなくなり...ガイドラインだけを読むお医者さんが多くなりそうなのは、医療の発展を妨げるものだと思います。

会場(大手町サンケイプラザ)が演題の数に対して手狭になっているのも問題なようです。前回の秋のこの学会では、地方会なのに発表ができなかった演題もあったということで...。これは寂しい。これが多くなると、地方会に参加しようという若者が減ります。部屋を工夫して使うか、やり方を変えるか、時間を延長して使うか、会場を変えるか、...工夫が必要なようです。次々回の大会長の藤本先生は「どうにかする!」と宣言しておりましたので、楽しみですね!

学会にくると、久しぶりにお会いする方にも会えて嬉しいです。なかでも、某企業の方が海外での仕事の良い話も持ってきてくれたのでちょいとハッピー!

大会長の武安先生、大盛会・大成功おめでとうございます!ご参加された皆さま、お疲れさまでした!ありがとうございました!