2021年6月13日日曜日

熱心な学生さん


熱心な学生さんが実習にいると、ついついみんなが教育モードになって一所懸命教えながら手技をします。
学生さんにも良い事だと思いますが、上級医も自分の診ているモノを整理して伝えるというトレーニングにも良いと思います。
解剖を理解して、機材を理解して、基本的な器機の持ち方、動かし方、距離感と角度を理解して、そのとおりに手を動かすと、完結するのが手技だと思います。
逆に、なんだか解らないけど、とりあえず触るという医者もいるのも事実です。「先輩の手技をみて、とにかく触っていじっている内に覚えるもんだ」という古い考え方がまだ医学会には存在するのです。道具も解剖もわからないけど、なんとなく手を動かしてみるお医者さん。数をやれば巧くなるとかいうけれど、そこに至る間の犠牲はどこにシワ寄せが行くのだろう。そして、その手技は本当に良い手技なのかどうか...術者が自分で満足しているだけで、自画自賛するだけの手技かもしれません。非侵襲的なものならそれでも良いでしょう言われたことがありますが、時間という大事なものを患者や関係者に費やさせることも宜しいことでは無いと思います。

もちろん、学生さんにはそんなことより大事なことが沢山あります。基本をしっかり理解していくことです。
私の近くに来た熱心な学生さんには必ず聞きます。「あなたが今突然倒れたとします。とくに器質的疾患や炎症などありません。データや心機能など全て正常。生命を維持するために、あなた自身に点滴で一日に入れて欲しい水分量を教えて下さい?Na量は?K量は?カロリーは?」こんな補液の超基本の方が大切だと思います。あとは「高血圧の診断基準」とか「高血圧を見たら、まず何の検査をする?そして、最初にすべき治療」などなどです。

将来、我々の仲間になってくれるのを待っています!

0 件のコメント: