2012年3月20日火曜日

抗凝固薬


抗凝固薬について、Alexander G C Tupie先生の御講演を拝聴する機会がありました。
Xa阻害剤の第一弾のイグザレルトは、投与前には腎機能チェックと、肝硬変のチェックは必要になります。外人と違う、日本人の容量設定があります。PTが血中濃度と相関するようです(出血傾向と相関するわけでは無いので注意です!)。当然、我々インタベ組の必要な抗血小板剤との併用は慎重にというアナウンスがあるだけです。どうですか?勉強したでしょう!(笑)

Tupie先生と直接お話しをさせていただいて、山形の福井先生と3人で写真を撮らせて頂きました。日本の食べ物が好きだと、醤油にワサビをたっぷり入れたドロドロの液にお肉や魚介類をつけて召し上がっていらっしゃいました。今回日本で食べたものの中では、シラウオの躍り食いが美味しかったとおっしゃってました。気さくな方でした。
新しい薬は、最初の発売の時のレジストリーだけでは全く解らず、その後の多くのスタディ、レジストリー、経験…その他が集まり、それらの多変量解析データが出るまでは本当の事がわからないのだと思います。それには随分時間がかかることでしょう。
抗凝固剤に関しても、先発のダビガトランもまだ発売から1年、まだまだ解らない事ばかりです。一つ二つのスタディのデータだけ見て、良いとか悪いとかは全く解らず、手探り状態です。当初は「そんなものいらん!」と叫んでいた先生がいつの間にか薬の宣伝マンになっていたり、逆に最初は良い薬だと言っていた先生が「自分は絶対に処方しない!」となったりしています。
しかも、我々が見たいモノは、さらに抗血小板剤を追加場合の本当の本音のデータとなると…難しいですよね。もしかすると、データが出る前に経験がそれを乗り越えて使用される可能性もあります。....それが良いのかどうかもわかりませんけれども。
業界に長く居ると、いかにデータというモノが作られたものかが解ります。スタディを組む主催者やメーカーさんに不利なデータは世の中に出てきません。そりゃぁそうです。最初から、結果が約束されているスタディで無ければ、多額な費用を回収する事ができないでしょうから!この業界、人件費は、無償で奴隷のように働く人たちがいるので問題にはならないのが唯一の救いかも知れません。(笑)そんなデータをみて、「エビデンスが出たー!」と称して大喜びするのは宜しくないですよね!
情報があふれる時代だからこそ、自分たちが情報を選択して判断する事が要求されます。怖い時代です。
ワーファリンに代わるべく、多くの薬剤の熾烈な闘いが予想されますが。10年後、どうなっているのか楽しみです。


2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

お身体気を付けて下さいね。
患者に真剣に向き合っている先生をいつも応援してます。
キョンキョンのドラマ今日最終回で残念!

PTCA5Fr さんのコメント...

匿名 さま
ありがとうございます。
....キョンキョンのドラマ。
テレビを見る習慣は無いので...(T_T)
DVDになったら買います。